ちいさいころ、友達と二人で、内緒で小学校に忍び込んで遊んだ。
あのときのどきどきは忘れられない。
いつもは絶対にしちゃいけないこと、たとえば黒板にらくがきをしたりして、周りを気にすることも忘れて二人ではしゃいだ。
結局先生に見つかって、泣きながら謝ったっけ。
転校。したくなかった。
引越し先へ向かう車の中で、ずっと声を殺して泣いてた。
小学校最後の授業。
わたしは国語の教科書を忘れた。
先生に「あんたは小学校最後の日に忘れ物をしたんだね。」ってからかわれた。このことは、あの教室の空気と一緒に、きっと一生覚えてるんだろうな、ってどこかで思った。
中学では、怖いので有名な国語の先生になぜか気に入られた。
国語係でよく顔をあわせてたせい? わたしは怖いから苦手だった。
担任にもう半期係を続けてくれって頼まれたけど全力投球で断ったのを覚えてる。
吹奏楽部では、わたしの不用意な一言で人間関係がこじれた。
ちょうどそのころ引越しの話が出たから、ほとんど何も考えずに了承した。
でも結局後悔した。たった1年だったけど、大切な友達ができたのは事実だったから。
そして、転校して離れることでどこか今と違う関係になってしまうのが分かってたから。
2度目の転校のあとも、やっぱり半年くらいもやもやしてた。自分で決めたのに、ばかみたいだってずっと考えてた気がする。
転校先の中学校は、最初はいやなことだらけだったけど、やっぱり最後にはかけがえのない場所になった。
でも、もうなくなってしまった。
自然が豊かすぎる中庭や、広いけどギシギシきしむ廊下、アスベストが出た技術棟。全部忘れない。
高校は、正直もやっとしたまま終わってしまった気がする。
1年目はまわりの学力の高さに愕然とし、
2年目は将来の目標を挫折して、
3年目は勉強に熱が入らないまま入試を迎え・・・
何してたんだろう・・・。
結局好きな人もきちんとできないまま卒業。なにしてたんだろう・・・。
でも3年間やり通せた部活。これだけは誇っていいし、確実にわたしの一部。